美しき 職人の技術

本日もご覧いただきありがとうございます。
前回のこの梁

ちょっと手前のところ、不思議な穴が開いてる?と思いませんでしたか?

大事な構造を支える梁なのに、切り欠きがある!?

いえいえ、これとっても大切な加工なのです。

通常、新築で構造体を組んでいく場合、梁はクレーンで釣り上げ、上から入れていきます。

こんな感じですね。(お借りした写真です)


梁同士がつながるように継ぎ手を作って組んでいきます。

でも今回はリフォーム工事。出来上がってる構造体の中に新しい梁を入れていきます。
つまり下から入れなくてはいけません。
そこで、新しい梁は既存の梁から梁までぴったりの長さにカットし、下から入れて

先程の切り欠き部分はこんな風に収まっています

さらに、別に作った継手で継ぎ足し、

この2箇所の細長い穴が何かと言うと、ここに木の栓を入れることで、ガッチリと固定されます。

金物で止めないのに、これで大丈夫?と思われるかもしれませんが、栓の木より穴をすこーーーし小さく作ることで、埋められた栓が中で膨張し、しっかりと固定されます。

0.1ミリの世界…。

昔の大工さんはこうして釘も金物も使わず、建物を立てていた時代もあります。

寺社仏閣等が有名ですね。

こういった加工は、大工さんがひとつひとつ手で刻んでいます。

リフォーム工事は、機械で大量生産された材料だけではできません。その家に合わせて知恵と技術を総動員して、何が一番最適かを考えながら進めていきます。

ちょっとマニアックな技のご紹介でしたが、上手く伝わりましたでしょうか。

マニアックですが、ヨメはこういうのが大好物…。

美しき職人の知恵と技に一人大興奮でした。

続きはまた次回をお楽しみに!